高校から中高一貫校に入った 東大生のブログ

高校から首都圏某中高一貫校に入学し、部活に励みながら現役で東大に入学した過程を紹介していきます。

偏差値とは何か2

偏差値についてざっくりとした理論については"偏差値とは何か1"でさせていただきましたが、今回は偏差値についてもう少し実践的なお話をさせていただきます。

順位を平均が50の数値に変換したものが偏差値だというふうなことを前回紹介しました。順位と偏差値は近い意味を持っているので、弱点も共通のものを持っています。

順位や偏差値は、テストを受けた人たち(母集団と言います)のレベルに影響されるのです。テストで上から10番だった!といっても、県内トップの進学校の中で10番なのと、その他の学校で10番では全然価値が違いますよね。同じことが偏差値にも言えるのです。

2つの異なるテストの偏差値を比べる時、それぞれのテストを受けた集団の学力がだいたい同じであれば、問題ありません。例えば、同じ人が同じ学校の中で受けたテストであれば、英語と理科の偏差値はほとんど同じ意味を持つし、夏の校内テストと秋の校内テストの偏差値も、同じように比較できます。

2つの集団の学力が異なる場合は、偏差値の価値が違うことに注意しましょう。例えば、自分の学校が県内でも上位の高学力な学校の場合、校内テストでの偏差値は全国テストの偏差値よりも低く出ます。「校内偏差値は55だったけど、全国では60くらい出るんじゃないかな…」と、だいたいの見当をつけながら数値を読んでいく必要があります。

一番多い勘違いとして、中学受験までは偏差値50がやっとだったのに中学校に入学した最初の全国模試では途端に60になった、とか、逆に、今までの模試だったら偏差値70だったのに、進学校に入学したら校内偏差値は50だった、など。落ち込むことはないのです。今まで説明してきてわかった通り、母集団によって偏差値の質は変わりますレベルの高いところから低いところに行けば当然偏差値は上がるし、そのまた逆も然りです

あまり知られていないことですが、実は最上位集団は滅多に偏差値という言葉を使いません。もちろん進学先を選ぶまでもないから使うまでもないというのもあるのでしょうが、実際彼らは、その言葉のほんしつてきな意味を理解しているから、母集団を与えられない状況での偏差値談義がいかに意味のないものかをわかっているのです。また、これも偏差値の特徴として、最上位層と最下位層では数値がはっきりと出ません。毎回75とか80とか言われても、彼らにとっては誤差でしかないわけです。

私が聞いていて一番腹が立つ表現として、その高校の偏差値ってどれくらい?、といったようなものがあります。

ここまで読んだあなたならわかるはずです。これを読んだあなたはこう答えてあげましょう。

『どんな試験のどんな母集団で?』>、と。